生活保護と老齢基礎年金の逆転現象
江東区区議会議員立候補予定者、ファイナンシャルプランナーの谷口さとしです。
教育から江東区を変えていく
江東区立中高一貫校を創る
来月から統一地方選挙が始まりますね。
今まで選挙に行ったことが無いという人も、今回の選挙は今後の生活に大きく関わる重大な選挙なので、他人事と思わずに必ず投票へ行ってくださいね。
江東区は4月23日が投票日です。
ツイッターに生活保護と老齢基礎年金の受給内容の比較表を上げたら、通知が鳴りやまないほど反響があったので、私の視点及び改善提案をお伝えしたいと思います。
最初にお断りしておきたいのですが、生活保護は必要ないとか、生活保護を受けている人が許せないという趣旨ではありません。
制度としておかしいという事と、生活保護を受けている人から搾取している貧困ビジネスがはびこっている事が問題で、生活保護の在り方を変えていくべきだという主張であることをご承知おきください。
では本題に入ります。
今回の前提条件は65歳で夫婦二人、老齢年金の場合と生活保護の場合で比較しています。
まず生活保護は生活保護法により、
第1条 国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。
とあります。
第1条から早速おかしなところが出てくるのですが、まず生活保護は「国民」に対して行うとされています。
しかし、実際には日本に住む外国人も生活保護が受けられています。
まずここから区別するべきです。外国人の方が帰化して日本国籍を有したうえで、保護を受けるのならまだ納得できますが、外国籍のまま生活保護を受けているのはおかしなことです。日本での生活が立ちいかなくなってしまったのであれば、母国に帰るか、母国から支援を受けるべきです。
次に、「最低限度の生活を保障」という部分です。
ざっくりとではありますが、国民年金の場合、保険料を満額払っていたとして、二人で約155万円受け取れます。
一方、夫婦とも全く収入がなかった場合、生活扶助として約140万円を現金でうけとることができ、家賃補助として、76万円まで補助されます。
家賃補助については、実費なのでこれよりも賃料が安い所に住んでいる場合、差額が支給されるわけではありません。江東区の場合、この賃料で探すのはとても大変なのですがそれは余談です。
この時点で、老齢基礎年金よりも、生活保護の方が条件が良くなるという逆転現象が起きています。
年金受給者は40年間保険料を払い続けたにも関わらず、生活保護以下の生活を強いられるわけです。(令和4年度の保険料を40年払ったと仮定すると、1人約800万円です)
一方生活保護の場合、現役中年金保険料は払っていません。
年金を支払わずに、老後は生活保護を受けた方が生活水準が高くなるというのは、多くの方が納得できないことだと思います。
どう考えてもおかしいですよね?
この逆転現象が、3番目の「自立を助長することを目的」の話につながるのですが、どう考えても、自助へのインセンティブは働きませんよね。
次に比較表に記載した各種保険についてです。
老齢基礎年金の場合、国民健康保険と介護保険料を支払う必要があります。
さらに病院にかかった場合には窓口負担が発生します。
対して生活保護の場合、国民健康保険と介護保険料の負担は発生しません。
窓口負担のゼロなのです。
受取れる金額も老齢年金の方が少ないうえに、保険料が差し引かれ、医療機関にかかる場合は窓口負担も発生する。
実際生活保護支給の内、半分は医療費と言われています。
生活保護に保険料免除は必要でしょうか?
少なくとも窓口負担ゼロは早急にやめるべきだと思います。
比較表に挙げたものだけでも疑問だらけですが、これら以外にも扶助があります。
生活保護についても、年金についても抜本的に見直さないと、頑張った人が馬鹿を見るような社会になってしまいます。
年取ったら生活保護受ければいい、という人ばかりになったら、国が滅びますよね。
現状すぐに手を付けられる対策案を提示したいと思います。
・基本は現物支給にする
・現物支給に伴い、現金支給額の減額
・現金については、出納帳の提出を義務付け、不透明な支出を認めない
・医療費の窓口負担を年金生活者と同率にする
・福祉課へ申請に行く時に、第三者の立ち合いを認めない
生活に必要なものは、現物支給を原則として、現金は最低限必要な金額に留めることで、生活扶助にかかる費用を削減できます。
一例をあげると、大阪市では生活保護支給開始時に認められる布団代を、現金支給から一括購入し現物支給に切り替えたところ、1人約1万円経費が削減できたそうです。
そもそも、布団代に18,000円近く認められているのがどうなのかという問題でもありますが。
出納帳の提出については、不正な支出防止と当事者本人を守るためにも必要です。
貧困ビジネスに搾取されていないか、ケースワーカーさんが管理する事も出来ます。
医療費の窓口負担ですが、生活保護の方はそうでない人に比べて、医療機関の受診回数が多い傾向にあることが東京大学などの調査結果で明らかになっています。
私が原則無償化に反対なのは、このように受益者の費用感覚が無くなるので、余計に費用がかかることが多いからです。
最後の第三者の立ち合いです。
福祉課に生活保護の申請に行く際、NPO法人の職員などが同行するケースがあるようです。なぜ立ち合いが必要なのでしょうか?
安易に生活保護を進めているたり、保護を打ち切られないためにという記事や、動画を目にしますが、第1条にもあるように、あくまでも生活保護は最後のセーフティネットで、本来の目的から逸脱した行為だと思っています。
また、生活保護法第7条には下記のように定められています。
(申請保護の原則)
第七条 保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。
第三者が立会う必要性は全くないし、何のために?と思ってしまいます。
生活保護の財源は税金です。
国が75%、自治体が25%負担する事となっているので、自分が住んでいる自治体で生活保護が増えると、それだけ財政負担が増えることになります。
ちなみに厚生労働省によると、生活保護に毎年約3.8兆円かかっているそうです。
生活保護が本当に必要な人に行きわたる様にするためにも、制度の運用、見直しが必要だと思います。
貧困ビジネスについても書きたかったのですが、長くなったので、記事を分けたいと思います。
皆様はどのように思われたでしょうか?
疑問点や記事の中にない視点などお聞かせいただけると今後の参考になるので、お気軽にご質問、コメントを頂ければと思います。
ファイナンシャルプランナーの谷口さとしでした。